救援連絡センター主催で、現代刑事法を総合的全面的に批判するために、理論的および実践的検討を行う公開の学習活動を始めます。とりわけ裁判員制度の導入に伴って変動してきた裁判実務、戦時動員・有事法態勢に伴う刑事法の再編、治安主義の弾圧などの諸問題を検討していきます。同時に、専門的な分析に偏するのではなく、市民のための刑事法入門という側面も持たせたいという欲張りな企画です。
このように書くと、いささか矛盾しているように見えるかもしれませんが、今日、戦争国家の刑事弾圧、予防的先制攻撃・フレームアップの体制づくりは、一方では非常に専門的な知識やイデオロギーに裏打ちされながら、他方では市民的治安法や、市民参加の裁判員制度のごとく、誰でも理解できる平易さの装いの下に進行しています。専門性と市民性が交錯するなか、さまざまな刑事法イデオロギーが手を変え品を変えて利用され、気づいた時には根こそぎかすめ取られているような状況が続いています。
ですから、私たちの学習活動(理論闘争)も、専門性を押さえつつ、市民性に立脚したものとなる必要があります。
また、入門セミナーを定例的に開催する事によって、その都度の弾圧事件や冤罪について報告する機会・受け皿を継続的に用意します。
コーディネータは、前田朗(東京造形大学)、宮本弘典(関東学院大学)が務めます。
当面のテーマとしては、裁判員制度、代用監獄、捜索差押え、刑事施設(民営化も)、死刑、刑事法のイデオロギー批判、国家刑罰権を問う、弾圧事件の報告、冤罪事件の報告、国際人権法その他、を考えています。取り上げるべきテーマについてのご意見をお寄せいただけると幸です。
主催:救援連絡センター
対象:現代刑事法に関心を持つ市民、活動家、その他一般。
開催頻度:隔月をめどに(必要に応じて開催できるように)
講師:刑事法研究者、弁護士、体験者、ジャーナリスト、NGOスタッフなどに協力していただきます。
第一回:九月一九日(土)開場午後 時、開会午後 時
会場:渋谷勤労福祉会館
「非国民刑法――戦争国家の刑事法制」前田朗
参加費:五〇〇円