水曜日, 8月 26, 2009

非国民入門セミナー2009(1~10回)

いつのまにか非国民の時代がよみがえってきました。

 郵便受けにチラシを入れただけで、いきなり逮捕され2ヶ月以上も拘禁された立川チラシ事件を考えてみてください。道を歩いていると突然、警察官に呼び止められて、どこへ行くのか、荷物を見せろと質問責めにされる人も増えています。

 町には情報が溢れ、何でも言えるし、あらゆる情報が入手できる。そんな風に思っていたはずなのに、実はうかつなことを言うとどこから睨まれているかわかりません。当局に都合の悪い情報はしっかり検閲されています。

自分が健全な国民であることを証明するためには、非国民を摘発し、指弾するのが一番です。周囲に非国民が潜んでいないか。怪しい人間はいないか。思想や行動の疑わしい者はいないか。テロリストが隠れていないか。非国民を創造/想像することで、国民を創造/想像する。国民の安全を損なう恐れのある非国民を迅速に摘発することが国民の証明になります。

国民と非国民という対立軸を据えた社会は次々と非国民を狩り出していく宿命にあります。つねに非国民を叩いておかないと、国民の証明ができないからです。

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第1回(終わりました)  4月25日()午後6時、東京しごとセンター

       お話:上原公子さん(元国立市長)

          「時代閉塞の原状を打ち破るために、自治と平和を掲げて」

*上原公子さん:憲法記念日に宮崎県に生まれる。法政大学大学院修士課程中退。東京・生活者ネットワーク代表。国立市議会議員。水源開発問題全国連絡会事務局。国立市長(1999年~2007年)『国民保護計画が発動される日』(自治体研究社)『しなやかな闘い――生命あふれるまちづくりの試み』(樹心社)。

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第2回(終わりました)  5月23日(土)午後 6時、東京しごとセンター

お話:鈴木裕子さん(女性史研究者)「私自身を生きる:金子文子」

鈴木裕子さん:1980年代か ら女性史、婦人運動、労働運動史、フェミニズム、ジェンダー、天皇制などの研究を続け、日本軍性奴隷制研究の第一人者である。『山川菊栄女性解放論集』『湘煙選集――岸田俊子評論集』『日本女性運動資料集成 全11巻』など膨大な編著書がある。単著として『女性史を拓く〈1~4〉』『朝鮮人従軍慰安婦―証言昭和史の断面』『従軍慰安婦・内鮮結婚―性の侵略・戦後責任を考える』『「従軍慰安婦」問題と性暴力』『フェミニズムと朝鮮』『戦争責任とジェンダー―「自由主義史観」と日本軍「慰安婦」問題』『天皇制・「慰安婦」・フェミニズム』『金子文子――わたしはわたし自身を生きる』

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第3回(終わりました)  6月13日(土)午後6時開場、6時30分開会

東京しごとセンター・セミナー室

       お話:木村 朗さん(鹿児島大学教授)「新帝国主義の時代を生きる」 

*木村 朗さん:九州大学大学院時代に旧ユーゴスラヴィアのベオグラード大学政治学部に留学。地域から市民が「創る平和」という視点で安保・沖縄問題を追究すると同時に、民族・ナショナリズム問題や原爆投下・核問題を研究。『危機の時代の平和学』『核の時代の東アジアの平和』(法律文化社)、『米軍再編と前線基地・日本』『メディアは私たちを守れるか?』(凱風社)。

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第4回(終わりました)  6月20日(土)午後5時30分開場、午後6時開会

東京しごとセンター・セミナー室

       お話:立野正裕さん(明治大学教授)

          「精神のたたかい――不服従の可能性」

*立野正裕さん:明治大学教授。現代イギリス文学専攻、研究課題は第一次大戦期のイギリス文学を特徴付けるもの。ベルギーやフランスに点在するおびただしい戦跡を精力的に訪ね歩く。サスーン、オーウェン、ソーリー、ブルック、マクレーらの仕事を「塹壕の思想」の観点から検証している。著書『精神のたたかい――非暴力主義の思想と文学』(スペース伽耶)、『世界文学の扉をひらく 運命をあきらめない人たちの物語』(同上)、『黄金の枝を求めて――ヨーロッパ思索の旅・反戦の芸術と文学』(同上)

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第5回(終わりました)  7月25日(土)午後1時30分開場、2時開会

     八王子労政会館第5会議室

       お話:根津公子さん

          「自分をいつわらないために」

根津公子さん:公立中学教員。君が代不起立、停職処分とのたたかい。著書『希望は生徒』。ビデオ『君が代不起立(Part.12)』(ビデオプレス)に出演。

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第6回  9月26日(土)午後5時30分開場、6時開会

東京しごとセンター・セミナー室

       お話:安里英子さん(沖縄大学・珊瑚舎スコーレ講師)  

          「凌辱されるいのち――沖縄・尊厳の回復へ」

*安里英子さん:那覇市首里生まれ。沖縄大学・珊瑚舎スコーレ非常勤講師。1998年第2回女性文化賞(高良留美子創設)受賞。『揺れる聖域』(沖縄タイムス社)、『琉球弧の精神世界』(御茶の水書房)、『ハベルの詩』(御茶ノ水書房)、『沖縄・共同体の夢』(榕樹書林)、『陵辱されるいのち』(御茶ノ水書房)

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第7回 10月17日(土)午後1時30分開場、2時開会

    港勤労福祉会館

       お話:増田都子さん

増田都子さん:元社会科教師。2006年、分限免職処分を受け、現在、裁判中。2008年、多田謡子反権力人権賞受賞。著書に『教育を破壊するのは誰だ!―ドキュメント東京・足立十六中学事件』 (社会評論社)、『たたかう!社会科教師』(社会批評社)。

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第8回 10月17日(土)午後5時30分開場、6時開会

港勤労福祉会館

       お話:辛 淑玉さん(人材育成コンサルタント)

辛淑玉さん:人材育成コンサルタント会社代表。民族差別撤廃・多文化共生などを追及する人権活動も行う。2003年多田謡子反権力人権賞。『怒りの方法』(岩波新書)『となりのピカソ』(愛媛新聞社)『せっちゃんのごちそう』(日本放送出版協会)『ケンカの作法』(角川書店)『悪あがきのすすめ』(岩波新書)『怒らない人』(角川書店)『差別と日本人』(共著、角川書店)など多数。

*第7回と第8回は同じ日の午後と夜です。

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第9回 11月 7日(土)午後1時30分開場、2時開会

    会場未定

       お話:金 静寅さん(NPO法人同胞法律・生活センター)

            「最近の在日朝鮮人に対する差別」

金静寅さん:1997年以来在日朝鮮人の法律相談、生活相談を続けてきた同胞法律・生活センター事務局長。社会福祉士。

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第10回 11月7日(土)午後5時30分開場、6時開会

会場未定

       お話:俵 義文さん(子どもと教科書全国ネット21事務局長)

「海峡を越える歴史認識--教科書問題の現在・未来」

*俵義文さん:出版労連教科書対策部副部長を経て、子どもと教科書全国ネット21事務局長。日本・中国・韓国の共同による『未来をひらく歴史』編集員会共同代表。「歴史認識と東アジアの平和フォーラム」日本委員会事務局長。『徹底検証あぶない教科書』(学習の友社)『家永三郎が残したもの引き継ぐもの』(共著、日本評論社)『あぶない教科書NO!』(花伝社)『安部晋三の本性』(共著、週刊金曜日)『<つくる会>分裂と歴史偽造の深層』(花伝社)など多数。

第9回と第10回は同じ日の午後と夜です。